肺炎になった愛犬 人生のパートナー
飼い犬が肺炎になった。
それは、あまりにも突然の出来事だった。
1歳の頃に我が家に迎え、8年目のヨークシャテリア。
大人になってもやんちゃ坊主で、粗相ばかりしていた。
誰かが訪ねてくれば吠え散らかし、トイレは覚えずあちらこちら…
甘えん坊で、いつも足元にじゃれつき、仰向けに転がって腹をなでろと瞳で訴えてくる。
病院や、長く伸びた毛のトリミングに行く時は、車の中で嫌だ嫌だと暴れまわり、
本当に苦労したのを良く覚えている。
それでも、手間の掛かる子ほど何とやら…寝る時はいつも一緒で、
人生のパートナーと言って間違いのない、かけがえのない存在だった。
元気なのは相変わらず。ただ、ある日、ふと時折かすれたような呼吸をするようになったのが気になり、
病院へ連れて行ったところ、肺炎との診断を受けた。
ヨークシャテリアの平均寿命は15年。
まだまだ若いから大丈夫…自分に言い聞かせていたけれど、 やはり心は動揺する。
処方された薬を飲ませながら、不安な思いを抱え過ごす日々。
当の本人は、こちらの気持ちもいざ知らずのやんちゃぶり。
まるで、「こんな病気、心配ないよ」と言っているようだった。
診断が出て2週間。
病状は一気に悪化し、呼吸は力無く、寝ている事が多くなった。
薬が効いてないんじゃないか、そう思い病院に向かい、手術をする事となった。
手術は無事に終わり、自宅に彼が戻ってきた時は本当に嬉しかった。
かけがえのない存在なのだ、と改めて思った。
大事にしないと…と心に誓い、いつものように一緒にベッドに入り就寝。
寝起きの悪い私は、スマホのアラームが鳴ってもなかなか目覚めず、先に起きた愛犬に
顔を舐められ、叩かれ目覚めるのが常だったが、
翌朝、目覚めた私の横で、愛犬はぐっすりと眠ったままだった。
病院暮らしで疲れたんだろう、そう思いそっと背中を撫でで、心臓がギュッと掴まれたような感覚になった。
暖かさをまるで感じなかったからだ。
慌ててその身体をさすり、小さな身体を抱きしめながら、ひとしきり泣いた。
もっと早く異変に気付いていれば。
もっと早く手術していれば。
もっと愛情を注いでやれていれば。
今でも後悔する思いはある。
最期に傍に付き添えた事がせめてもの救いかもしれない。
現在では、病院が閉まっている深夜や土日祝日でも、オンラインで獣医さんに
チャットやLINEなどで相談できるサービスも充実して来ている。
医療技術や薬も進化し、早期発見出来れば多くの場合は治る事が殆どだと思う。
ペットも家族、人生のパートナーである。
言葉を話せない彼らの為に、小さな異変を見逃さずに居てほしい。